- 2025年3月27日
看護師が退職を申し出たにもかかわらず、受理されなかったり、強い引き止めにあったりするケースは少なくありません。
特に、人手不足が深刻な職場では、上司が退職を認めずに話を先延ばしにすることもあります。しかし、退職は労働者の権利であり、適切な方法で進めればスムーズに辞めることが可能です。
この記事では、退職が受理されない理由や強い引き止めへの対処法、円満に辞めるための具体的な対応策を解説します。円満に退職できるように、この記事を参考にしてみてくださいね。
看護師の退職時に引き止められるのはなぜ?
看護師が退職を伝えた際に、強く引き止められることはよくあります。
それは、病院や施設にとって、看護師の人材確保は重要課題であり、急な退職は現場の負担を増やすためです。
特に人手不足の職場では「もう少し頑張れないか?」と説得されることが多く、辞めづらくなることもあります。
また、上司や同僚が「あなたがいないと困る」と感情的に訴えるケースもあります。このような引き止めにはどのように対応すればよいのでしょうか?
なぜ退職が受理されないことがあるのか?
退職を申し出たのに受理されないケースは、看護業界では珍しくありません。
その主な理由には、慢性的な人手不足、繁忙期の退職申請、管理職の意向などがあります。
- 慢性的な人手不足
- 繁忙期の退職申請
- 管理職の意向
特に、看護師不足が深刻な医療機関では「辞められたら困る」と考える上司が多く、退職の話を先延ばしにされることもあります。
また、職場のルールとして「退職は〇か月前までに申請すること」といった規定がある場合、それに反して突然辞めようとすると、受理を拒まれることがあります。
こうしたケースでは、事前に就業規則を確認し、正式な手続きを踏むことが重要です。
上司が強く引き止める心理とは?
上司が退職を強く引き止める背景には、いくつかの心理的要因があります。
- 人手不足による業務負担の増加を懸念
- 新人や後任の確保が難しい
- 上司自身の評価が下がるのを避けたい
- 退職者が続出するのを防ぎたい
- 個人的な感情
このような理由から、上司は「せめて、あと半年は残ってくれ」「次の人が決まるまで待ってほしい」など、強く引き止めることがあります。
しかし、退職は労働者の権利であり、無理に引き止められる義務はありません。適切に対応すれば、スムーズに退職を進めることができます。
これらの引き止めに対し、感情的にならず冷静に対応することが大切です。
しつこい引き止めへの具体的な断り方
しつこい引き止めにあったとき、具体的な断り方を知っておくと、前向きに望めるでしょう。
ここでは、3つのパターンで対処法を考えてみます。
「もう少し考えたら?」への対処法
退職を伝えた際に「もう少し考え直したら?」と言われることがあります。
その場合、「十分に考えた上で決めました」とはっきり伝えましょう。
具体的には、
「長い間悩みましたが、これが最善の選択だと判断しました。」
などと冷静に対応するのがポイントです。
「人手不足だから辞めないで」への断り方
人手不足を理由に引き止められることは多いですが、自分の人生やキャリアの選択を優先することが大切です。
例えば、
「私が辞めても業務が円滑に進むよう、引き継ぎをしっかり行います。」
と伝え、責任感を示しつつ退職の意思を貫きましょう。
「条件を改善するから残ってほしい」と言われたら?
給料や勤務条件を改善すると提案されることもあります。
しかし、退職を決めた理由が労働条件だけでない場合は、
「ありがたいお申し出ですが、私の決意は変わりません。」
と感謝の気持ちを示しつつ、きっぱりと断りましょう。
私の場合は、いくつか条件を提示されました。でも、退職の意思が固いことを伝えて、しっかりとお断りしました!
退職を受理してもらうための適切な対応
退職を受理してもらうためには、適切な対応を押さえておく必要があります。
退職をスムーズに進めるには?
退職をスムーズに進めるためには、以下のポイントを押さえましょう。
- 事前に就業規則を確認:退職のルールを把握する。
- 明確な退職理由を準備:揺るがない理由を持つ。
- 引き止めに応じない姿勢を示す:強い意志を持ち、ブレないことが重要。
強い引き止めにあったからといって、「もう少し働いてみようかな・・・」と、少しでも気持ちが揺るいでしまう人もいるでしょう。
しかし、これでは振り出しに戻ります。新たなキャリアや自分の人生を良くするための退職であれば、ブレない心を持つことが大切です。
退職を伝えるときのベストな方法は?
円満に退職するためには、伝え方も工夫が必要です。
例えば、「キャリアアップのため」や「家庭の事情」といった前向きな理由を伝えると、理解を得やすくなります。
退職を円滑に進めるためには、以下のような工夫をしてみてください。
- 直属の上司に最初に相談する(同僚ではなく、正式な手順を踏む)
- 退職理由を明確にし、前向きな表現で伝える(「キャリアアップのため」「家庭の事情で」など)
- 事前にアポイントを取り、落ち着いた環境で話す
- 感謝の気持ちを述べつつ、意志をはっきり伝える
例えば、「この職場で多くの経験を積ませていただきましたが、次のステップに進みたいため、◯月末で退職したいと考えています」と伝えることで、円滑に進めやすくなります。
退職届を出したのに受理されない場合の対処法は?
退職届を正式に提出したにもかかわらず、上司が受理しない場合、以下の対策を講じることができます。
- 書面で再度提出し、証拠を残す(内容証明郵便を利用するのも有効)
- 労働基準監督署に相談する(強制的な引き止めは違法の可能性あり)
- 退職の意思を明確に伝え、強い態度を取る(一度伝えた後は繰り返さない)
法律上、労働者は退職の意思表示をすれば、最短で2週間後には退職できるため、過度な引き止めに応じる必要はありません。
悩んだ場合は、労働基準監督署に相談してみましょう。
退職を拒否された場合、どう対応するべき?
強い引き止めを受けた場合、感情的にならず、冷静に以下のような対応をしましょう。
- 「退職は決定事項」と伝え、一貫した態度を保つ
- 理由を繰り返さず、追加の交渉に応じない
- 必要なら弁護士や退職代行サービスを利用する
無理に引き止められることで精神的負担が増すケースも多いため、自分の意思を最優先に考えることが重要です。
看護師の退職引き止めに関する体験談
ここでは、看護師の退職引き止めに関する、2つの体験談をご紹介します。
体験談①:スムーズに退職できたケース
Aさん(30代女性)は、退職を伝えた際に「人手不足だからもう少し残って」と言われました。
しかし、
「すでに次の職場が決まっており、予定通り退職させていただきます。」
と一貫した姿勢を貫いたことで、引き止められることなく退職できました。
体験談②:なかなか退職できなかったケース
Bさん(40代男性)は、何度も「あと半年だけ残ってほしい」と言われ、ズルズルと退職を延期してしまいました。
最終的に、
「このままでは退職のタイミングを逃してしまう」
と強い意志を持ち、毅然とした態度で退職を伝えたことでようやく受け入れられました。
退職時におすすめのサービス・サポート
退職時におすすめのサービスやサポートについて、「退職代行サービス」と「転職エージェント」を活用する方法を紹介します。
退職代行サービスの活用法
退職の意思を伝えづらい場合は、退職代行サービスを利用するのも一つの手段です。
主なメリットは、
- 退職の手続きを全て代行してくれる
- 上司と直接対面せずに済む
- 法的なサポートを受けられる場合がある
料金は3万円~5万円程度が相場です。
看護師向け転職エージェントを活用する方法
転職エージェントを利用すると、スムーズに次の職場を見つけることができます。
特に、
- 非公開求人を紹介してもらえる
- 履歴書や面接のサポートを受けられる
- 給与や待遇の交渉を代行してもらえる
といったメリットがあります。
看護師の退職でよくある質問(FAQ)
Q1. 退職を伝えたら嫌がらせを受けた場合どうすればいい?
まずは証拠を残すことが重要です。上司との会話を録音する、メモを取るなどし、必要なら労働基準監督署に相談しましょう。
Q2. 退職届はいつ出すべき?
一般的には退職の1か月前までに提出するのが望ましいですが、就業規則に従うことが大切です。
Q3. 円満退職するためのポイントは?
適切な時期に退職の意思を伝え、引き継ぎをしっかり行うことが重要です。
まとめ|スムーズに退職するために知っておくべきこと
退職の引き止めに対応するには、冷静な姿勢と強い意志が必要です。必要なら退職代行や転職エージェントを活用し、スムーズな退職を目指しましょう。
今後のキャリアをより良いものにするためにも、早めに行動を起こし、自分にとって最適な道を選んでくださいね。
この記事を書いた人
あゆ
元ナース・保健師のあゆ。 元看護師・保健師で、転職5回を経て現在はフリーランスとして活動中! 看護師として働く中で、悩み続けて1年かけて退職した経験があります。その過程で、退職を切り出す難しさや、退職後のキャリアへの不安を痛感しました。 『ナースの退職お悩み相談室』では、退職を考える看護師の方々に役立つ情報や、退職代行サービスの活用法、退職後のキャリアプランなどを発信しています。皆さんが一歩踏み出すお手伝いができれば嬉しいです。