看護師の退職挨拶はこれで安心!感謝が伝わる例文と気をつけたいポイント

看護師の退職挨拶はこれで安心!感謝が伝わる例文と気をつけたいポイント
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看護師として退職が決まったとき、最後にどのような挨拶をすべきか悩む方は多いでしょう。

お世話になった上司や同僚に感謝の気持ちを伝えたい一方で、「何を言えばいいのかわからない」「失礼にならないか不安」という気持ちもあるかもしれません。

この記事では、看護師が退職時に行う挨拶のマナーや例文、気をつけたいポイントを紹介します。円満な退職のための参考にしてください。

看護師の退職挨拶マナーと伝えるべきこと

退職時の挨拶は、これまでの感謝を伝えるとともに、自分自身の区切りをつける大切な機会です。適切な挨拶を心がけることで、円満な退職につながります。

退職の挨拶が大切な理由

医療・看護の現場は、チームワークが重視される職場です。多くの人に支えられながら仕事をしてきたこと、その感謝を伝えることは、人としての誠意を示す基本的なマナーと言えるでしょう。

また、医療業界は意外と狭いもので、将来思わぬところで再会することもあります。別れの場面で良い印象を残しておくことで、その後の人間関係にもプラスの影響を与えるでしょう。

前職についてポジティブな印象を持って新しい職場に移ることは、自分自身の心理的な区切りにもなります。

ぽー

ぽー

私は最初の職場を退職するとき、きちんと全員に挨拶をして去りました。そのおかげか、数年後、元上司に偶然再会した時、あたたかく声をかけてもらえました。

退職の挨拶を伝える相手

退職の挨拶をする相手の範囲は、職場の規模や自分との関わりによって異なります。基本的には、直接一緒に働いた人たちには挨拶するのが望ましいでしょう。

同じ部署の看護師や医師、看護助手など、日常的に関わりのある人たちが第一優先です。次に、直属の上司や師長、看護部長にも挨拶するのがマナーです。

部署を超えて関わりのあった他部門のスタッフ(検査科や放射線科、薬剤部など)にも、可能であれば挨拶するとよいでしょう。

病院の規模が大きく、すべての人に直接挨拶することが難しい場合は、よく関わった人に絞るか、朝礼などの場を借りて一度に挨拶する方法もあります。

挨拶のタイミングは「最終出勤日」

退職の挨拶は、最終出勤日に行うのが一般的です。最終日の朝礼や申し送りの時間を利用して挨拶するケースが多いでしょう。

ただし、夜勤や休暇などで最終日に会えない人もいるはずです。そのような場合は、最終日の数日前から少しずつ挨拶回りをしておくとよいでしょう。

特に普段あまり顔を合わせない夜勤専従の方や他部署の関係者には、計画的に挨拶する必要があります。

また、異動や長期休暇で不在の人には、メールやメッセージカードを残しておくことも忘れないようにしましょう。大切なのは、お世話になった人に感謝の気持ちが伝わることです。

退職挨拶で気をつけたいマナー

退職の挨拶は感謝を伝える場であり、円満な退職のためのマナーがあります。気をつけたいポイントを押さえて、好印象を残しましょう。

避けるべき言葉や言い回し

退職の挨拶では、ネガティブな表現や特定の人への批判は避けるべきです。「人間関係が辛かった」「業務が大変すぎた」などの不満は、たとえそれが退職理由だとしても挨拶の場では控えましょう。

また、「やっと解放される」「これでゆっくりできる」といった表現も、残る人への配慮に欠けます。

さらに、「〇〇さんのおかげで辞めることができました」など、特定の人を名指しする発言も避けるべきです。冗談のつもりでも、誤解を招いたり、場の雰囲気を悪くする可能性があります。

代わりに、「貴重な経験をさせていただきました」「成長する機会をいただき感謝しています」などの前向きな表現を心がけましょう。具体的な思い出や学んだことを交えると、より真摯な印象を与えられます。

長すぎる・重すぎる挨拶

朝礼や申し送りなどの場での挨拶は、簡潔にまとめることが大切です。長々と話すと、業務の妨げになったり、聞き手の負担になったりする可能性があります。基本的には1〜2分程度、多くても3分以内に収めるのが良いでしょう。

また、感傷的になりすぎたり、重々しい雰囲気になりすぎたりすることも避けたほうがよいでしょう。「ずっと忘れません」「一生の恩です」など大げさな表現よりも、シンプルに「ありがとうございました」「お世話になりました」と伝える方が自然です。

感情的になりすぎる

長く働いた職場を去る際は、感情的になることもあるでしょう。涙が出そうになったり、声が詰まったりすることは恥ずかしいことではありません。しかし、あまりにも取り乱すと相手も対応に困ってしまいます。

感情的になりそうなときは、深呼吸をして一呼吸置きましょう。また、事前に伝えたいことをメモにまとめておくと、感情に流されず話せます。どうしても涙が止まらない場合は、「お世話になり、ありがとうございました」とシンプルに伝えて切り上げるのも一つの方法です。

感謝の気持ちは必ずしも言葉だけで伝える必要はありません。メッセージカードやちょっとしたギフトで気持ちを表すことも素敵な選択肢です。

また、人間関係の問題で直接挨拶することが精神的に辛い場合は、退職代行サービスの利用も選択肢のひとつです。詳しくは関連記事「【2025年】看護師向け退職代行サービスおすすめランキング9選!失敗しない選び方・比較・注意点」もご参考ください。

【シーン別】退職時の挨拶例文

退職の挨拶は場面によって適切な内容や言い回しが異なります。シーン別の例文を参考に、自分らしい挨拶を考えてみましょう。

スタッフ全員へのスピーチ例

朝礼や申し送りなど、大勢の前でのスピーチは簡潔に、そして感謝の気持ちが伝わるように話しましょう。

「本日をもちまして退職することになりました○○です。3年間、皆さんには本当にお世話になりました。初めは分からないことばかりでしたが、皆さんの温かいご指導のおかげで、看護師として大きく成長することができました。特に患者さんとの向き合い方や、チームでの連携の大切さを学ばせていただきました。これからは新しい環境で、ここで学んだことを活かしていきたいと思います。本当にありがとうございました。」

具体的にどんなことに感謝しているか、何を学んだかを簡潔に伝えると、心のこもった挨拶になります。

上司や師長への挨拶例

上司や師長には、より丁寧に個別の感謝を伝えるとよいでしょう。

「師長、今日が最終日となりました。2年間、本当にお世話になりました。特に昨年の○○さんの症例では、私一人では対応できなかったところを的確なアドバイスをいただき、とても勉強になりました。また、業務で失敗した時も叱るだけでなく、どうすれば良かったかを丁寧に教えていただき、看護師としての基礎を身につけることができました。これからも師長の教えを胸に、頑張っていきたいと思います。本当にありがとうございました。」

具体的なエピソードを交えると、感謝の気持ちがより伝わります。

仲の良い同僚への一言メッセージ

親しい同僚には、よりカジュアルな表現で気持ちを伝えましょう。

「いつも愚痴を聞いてくれてありがとう!夜勤の休憩時間の話し相手がいないと思うと寂しいよ。これからも時々会おうね。次の職場でも、あなたのように頼れる同僚ができるといいな。本当にありがとう!」

「一緒にランチに行ったり、イベントを企画したり、楽しい思い出をたくさん作れて嬉しかったです。またお会いできる日を楽しみにしています。連絡先交換しておきましょう!」

親しい間柄なら、感謝と共に今後も関係を続けたい旨を伝えると良いでしょう。

会えない人へのメールや手紙の文例

直接会えない人には、メールやメッセージカードで気持ちを伝えましょう。

「いつもお世話になっております。この度、○月○日付で退職することになりました。最終日にご挨拶できればと思っておりましたが、タイミングが合わず手紙で失礼いたします。2年間、特に○○の業務では多くのサポートをいただき、心より感謝しております。今後は○○病院で勤務する予定です。機会がありましたら、またどこかでお会いできることを楽しみにしております。ありがとうございました。」

メールやメッセージカードでも丁寧な言葉遣いを心がけ、具体的な感謝の内容を盛り込むとよいでしょう。

メッセージカードの書き方については、関連記事「看護師退職時のメッセージカード|感謝を伝える例文&書き方ガイド」も参考にしてみてください!

ぽー

ぽー

最終日に会えない上司には、短いメッセージカードを書き、ロッカーに入れておきました。後日「お疲れさま」とメールが来て、そこから一緒にランチに行く仲に。一言でも、感謝の気持ちは伝わります。

気の利いた退職挨拶のコツ

基本的な挨拶に加えて、ちょっとした一言を添えることで、より印象に残る挨拶になります。相手や状況に合わせた言葉選びを心がけましょう。

「この職場で学んだこと」を入れると印象UP

退職の挨拶では、その職場で具体的に何を学んだかを伝えると、真摯な印象を与えられます。

例えば「この病棟では急変対応の大切さを学びました」「患者さんとのコミュニケーションの取り方を教えていただきました」など、具体的なスキルや経験を挙げると良いでしょう。

また、「○○さんの患者への声かけは、いつも参考にさせていただいていました」など、特定の人から学んだことを伝えるのも効果的です。ただし、複数の人に挨拶する場では、特定の人だけを褒めるのではなく、バランスよく感謝の言葉を伝えることが大切です。

“この職場でしか学べなかったこと”を伝えることで、「あなたとの時間は私にとって貴重だった」というメッセージになります。

「これからも頑張ってください」を添える気遣い

退職する側から「頑張ってください」と声をかけることで、残る人たちへの応援と気遣いを示せます。

「これからも患者さんのために頑張ってください」「素晴らしいチームワークを大切にしてください」など、前向きなメッセージを添えると良いでしょう。

また、「私も新しい職場で頑張ります」と自分の決意も伝えることで、互いに応援し合う関係性を示せます。特に人手不足で忙しい職場を去る場合は、残るスタッフへの感謝と励ましの言葉が大切です。

「またどこかでお会いできることを楽しみにしています」という言葉も、これからも関係を大切にしたいという気持ちが伝わります。

ユーモアや前向きな言葉で場を和ませる

退職の挨拶は真面目になりがちですが、適度なユーモアを交えると場の空気を和ませることができます。ただし、誰かを傷つけたり、不快にさせたりするジョークは絶対に避けましょう。

例えば、「私のミスで皆さんにご迷惑をかけることも多かったと思いますが、それも今日で最後です(笑)」「次に会うときは、もっと成長した姿をお見せできるように頑張ります」など、自分を少し謙虚に表現しつつも前向きな姿勢を示すと好印象です。

また、「○○病棟の伝説の夜勤明けの朝食会は忘れません」など、楽しかった思い出に触れるのも場を和ませるテクニックです。ただし、内輪ネタが強すぎると、関わりの薄かった人が疎外感を感じる可能性もあるので、バランスを考えましょう。

退職の挨拶をスムーズに終えるコツ

退職の挨拶を円滑に行うためには、事前の準備と当日の心構えが大切です。スムーズに最終日を迎えるためのコツを紹介します。

前日までに準備しておく

退職の挨拶をスムーズに行うには、前日までの準備が重要です。まず、誰に挨拶するかリストアップしておきましょう。特に必ず挨拶したい人や、最終日に会えない人は優先的に計画を立てます。

また、伝えたい内容を簡単にメモしておくと安心です。緊張すると言いたいことが飛んでしまうことがあるので、キーワードだけでも書き留めておくと良いでしょう。特に集団の前でのスピーチは、事前に簡単な原稿を用意しておくことをおすすめします。

さらに、最終日のスケジュールを確認し、挨拶の時間を確保しておくことも大切です。忙しい職場では、予定通りに進まないこともあるため、余裕をもったプランを立てましょう。

メッセージカードやギフトを用意する

直接言葉で伝えるだけでなく、メッセージカードやちょっとしたギフトを添えると、より気持ちが伝わります。

特に、じっくり話す時間がない場合や、感情的になって上手く言葉にできない可能性があるときは、事前に書いておいたメッセージが役立ちます。

メッセージカードは手書きが基本です。市販のカードでも、自分で作ったものでも構いませんが、丁寧な字で心を込めて書きましょう。内容は簡潔に、感謝の気持ちと具体的なエピソードを1〜2つ盛り込むとよいでしょう。

ギフトは、職場の雰囲気や関係性によって異なりますが、一般的には食べ物(お菓子、焼き菓子など)が無難です。

高価すぎるものや個人的すぎるものは避け、誰もが喜ぶものを選びましょう。個人に贈る場合は、その人の好みを考慮すると喜ばれます。

退職時に渡すと喜ばれるお菓子については、こちらの記事でも紹介しています。参考記事「【看護師退職】おすすめのお菓子7選と渡し方のマナー|失敗しない選び方ガイド

失敗しない話し方のポイントを押さえる

退職の挨拶は緊張するものですが、ポイントを押さえれば失敗を最小限に抑えられます。

まず、話すスピードに注意しましょう。緊張すると早口になりがちですが、ゆっくり、はっきりと話すことを心がけてください。

また、視線を一点に固定せず、ゆっくりと見渡すようにすると、全体に話しかけている印象になります。一人ひとりの目を見るのが難しければ、額や眉間あたりを見るテクニックも有効です。

原稿を用意する場合は、棒読みにならないよう、キーワードだけをメモするか、何度か練習しておくとよいでしょう。万が一、言葉に詰まっても、一呼吸置いて「失礼しました」と言って続ければ問題ありません。完璧である必要はなく、誠意をもって伝えることが大切です。

ぽー

ぽー

私は人前で話すのが大の苦手で、退職の挨拶もとても緊張しました。少し声が震えましたが、同僚たちは温かく見守ってくれて一安心。完璧でなくても、気持ちは伝わるものだと実感しました。

気持ちのよい退職のために、感謝を伝える準備をしよう

退職の挨拶は、これまでお世話になった人たちへの感謝を伝え、新たなスタートを気持ちよく切るための大切な区切りです。

職の挨拶に完璧な例文やマナーはありません。大切なのは、感謝の気持ちが相手に伝わることです。緊張して言葉に詰まったり、涙が出たりしても、それは人間らしい自然な反応です。

準備はしっかりと行いつつも、細かいことを気にしすぎず、自分らしさを大切にした挨拶を心がけましょう。「ありがとうございました」という言葉と誠実な態度があれば、十分に気持ちは伝わります。

ぽー

ぽー

退職の挨拶を終えた後、憧れの上司から「また一緒に働ける日が来るといいね」と言ってもらえたことが本当に嬉しかったです。皆さんも自分の言葉で感謝を伝えてみてくださいね。

Wrote this article この記事を書いた人

ぽー

ぽー

看護師・保健師・養護教諭資格あり。 転職経験は3回で、現在はフリーランスとして活動中です。急性期から退院支援、外来などさまざまな部署で看護の仕事をしてきました。 子育てと仕事との両立に悩み、ライフステージの変化に応じて働き方を変えていった経緯があります。 働き方に悩む看護師が、より自分らしく働くために役立つ情報を発信していきます。

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